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春ガキタ。 [gillman*s park 15]

春ガキタ。


DSC05121r.JPG


 桜の季節が過ぎたとはいえ三寒四温のような不安定な時期が続いて、やっとこさそこを抜けていかにも春の心地よい暖かさがやってきた。いつもの公園に散歩に行くと今日はそこに居る人々の佇まいも昨日までとは違うような気がする。

 平日の午前中で、なおかつ桜の時期も終わったとあって、公園の中には人影も少なくなんとものんびりとした時間が流れていた。池をひと回りして芝生のある広場に来ると何か所か設置してあるテーブルの一つに二人のおばさんが座っていた。

 他のテーブルにはまだあまり人もいない。木々の間から垣間見えるその二人はお茶しているのか、時折笑い声がこちらまで聞こえてくる。明るい陽光の下でのんびりとお茶なんて最高の時間なんだろうなぁ。春なんだ。

 楽しそうなおばさんたちを横目さらに芝生の広場の脇の路をゆくと、今度はテーブルではなくて芝生の上にシートを広げて一組のカップルが寛いでいた。男性の方は上半身裸になって横になっている。最近は日光浴という光景を中々目にすることは無いけれど、これは昔よく見た日光浴の格好だ。

 恋人らしき傍らに腰かけた女性と何やら話しながら春の陽光を浴びている。新緑が目に刺さるほど眩しい。絵のようだなぁ、と想いながら見ていたらフッとジョン・エヴァレット・ミレイの絵のオフィーリアを想い出してしまった。こんな幸せそうな光景を前にして、なんでまた悲劇のオフィーリアなんかが頭に浮かんできたのだろう。

 シャッターを押してから、少し考え込んでしまった。たぶん…だけど、ひとつは今目にしている強烈な緑色がラファエル前派のミレイのあの鮮やかな緑にダブっているのだ。大昔にロンドンのテートで観たオフィーリアの鮮烈な緑が今も目に焼き付いているから。

 それと、もう一つはぼくが、もうとうの昔に忘れてしまった「青春」みたいなものがその二つのイメージを結びつけたのかもしれない。幸福と悲劇が紙一重の青春。のんびりとした公園の中でガラにもなくちょっと甘酸っぱい感傷にひたってしまった。うん、やっぱり春なんだ。


DSC05118r.JPG


gillmanspark_tampopo.gif


TParksprng01.jpg

(cam:TX-7/iPhone6)

nice!(56)  コメント(9) 
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コメント 9

engrid

気持ちのいい季節になりました
ぼーっと、思いが広がっていく
そんなきっかけもありますね
by engrid (2015-04-29 00:03) 

Silvermac

今日は夏日になりました。
by Silvermac (2015-05-01 14:03) 

coco030705

こんばんは。
美しい季節ですね。人々ものんびりと散歩をしたりくつろいだり。
ところで私もロンドンのテートで「オフィーリア」をみました。そして大阪のテートギャラリー展でもみて、2回もみることができました。友達は2年ほど前、わざわざテートまで「オフィーリア」をみにいったのに、どこかに貸出しされていたんですって。こういうのも運がありますね。
この綺麗な、一見平和な時期にオフィーリアを思い出されたなんて、すごいなと思います。この世は「幸福と悲劇が紙一重」なんですものね。gillman さんの深い洞察力と感性がオフィーリアを思い出させたんでしょうね。
by coco030705 (2015-05-01 17:58) 

JUNKO

清々しいシーンです。
by JUNKO (2015-05-01 20:23) 

sig

こんばんは。
春も感傷の季節というgillmanさんが、うらやましくもあります。笑
by sig (2015-05-01 20:45) 

fumiko

gillmanさん
ファルツとバーデンではドイツで頑張っている若い世代をメインに取材してまいりました。5月中にまとめていきま~す。
欄外のヒッチコック特集、熟読しました。
gillmanさんはシャーリー・マックレーンがお好きなんですね。ヒッチコック映画の女優さんとは異質なタイプですが、トリュフォーとのインタビューで明言された彼の好みの女優話を含め、面白かったです。
私は高貴な『モンラッシェ』が登場する『裏窓』に、ヒッチコックのユーモアを感じています。主役のグレース・ケリー共々、好きな作品です!
by fumiko (2015-05-03 17:23) 

鋭理庵

gillmanさんの「谷根千今昔」を見てから何となく東京の下町に行きたくなりました。それで5月11日に高校時代の悪友4人で三ノ輪近くの銭湯、有馬湯に浸かって近くの行燈旅館にて一泊します。なんせ皆も育ちは東京でも今はそれぞれ埼玉、千葉、神奈川に住んでますからゆっくり東京を楽しむのには泊まり掛けでなければ......。その前に世田谷の尾山台近くの傳乗寺を訪れ高校時代の先生のお墓を訪ねてお花とお線香でも供えて来ようかと思っています。世田谷区尾山台から台東区三ノ輪、まで何と1時間弱の電車で運賃は¥400、東京って交通費安いのでびっくり!
by 鋭理庵 (2015-05-03 23:59) 

albireo

ご無沙汰して居ります<m(_ _)m>
ミレイの、植物の正確な描写と、美しい緑の絵の具の色合いは、記憶の中の緑の風景と重なって行くような、一種のイメージ喚起力を引き起こさせるのかも知れないと、ふとそんなことを思いながら、写真を拝見していました。
by albireo (2015-05-04 20:41) 

aya

人って色んなものが印象として焼き付いているんですね。
私は音と色です。無条件に選んでしまうのはオレンジ。
何かあったのかな・・・考えても思い当たらないのですが、不思議なものですね。
by aya (2015-05-04 21:00) 

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