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猫を巡るアフォリズム Aphorisms on Cats ~その25~ [猫と暮らせば]

猫を巡るアフォリズム Aphorisms on Cats ~その25~

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 ■ 長いこと一緒に暮らしていると、犬は飼い主の言うことが分かるようになってくる。猫は長いこと一緒に暮らしていると猫の言うことを飼い主が分かるようになってくる。 (gillman)



  今回は古今の著名人が残したちゃんとしたアフォリズムじゃなくて恐縮なのだけれど、これは今まで犬や猫と暮らしてきたぼくの実感なのだ。犬と猫を比べるアフォリズムは多いけど、その大半はどちらかというと猫に分があるようだ。それは文学者などに猫好きが多いということもあるかもしれないけれど、猫の方が野生が残っているので人間にとっては、特に詮索好きの人間にとっては謎解きのような楽しみがあり魅力的に映るのかもしれない。

 いずれにしても、猫も犬も人類が同じ空間で同じ時間を過ごしてきた親しい存在であることに変わりはない。それだけに、その違いに目が行くのかもしれないけど…。その一番大きな違いはコミュニケーションのスタイルの違いがあるかもしれない。犬は常に飼い主とコミュニケーションを取りたいと思っているし、一方猫は自分の必要な時にのみ自分の欲求をわかってもらいたいという傾向がありそうだ。

 どうも、その傾向が飼い主の性向にも表れる、というよりそういう性向が犬か猫を選ばせるのかもしれないが…。いずれにしてもテイストが微妙に異なる。誤解を恐れずに端的にいうなら「犬は教える喜び、猫は学ぶ喜び」みたいな感じがありはしないか。最近は猫を飼っているから、どうも猫の言うことをきいてその通りにしていることに喜びを感じている自分がいたりして何とも不可解千万である。

 最近はモモがマッサージを覚えて、寝る前にベッドの上でぼくのお腹をひとしきりマッサージしないと気が済まない。マッサージといったって、もちろんあの猫特有のモミモミ運動なのだけれど、体重をかけて揉まれるとそれはそれでマッサージっぽくなるのだ。で、暫くたって気が済むと解放してくれるのだけれど、途中で起き上がったりするととにかく怒る。その様子を傍らでレオは冷ややかな目で見ている。両方猫なのに。わからんっ。あ、そういえば、こういうアフォリズムもあったなぁ。


 ■猫とは、解答のないパズルである。(ハーゼル・ニコルソン)
 A cat is a puzzle for which there is no solution. (Hazel Nicholson)



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ヒッチコック再会 [Retro-Kino]

ヒッチコック再会

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 ■ サスペンスとはなにか

 …わたしにとっては、ミステリーがサスペンスであることはめったにない。例えば、謎解きにはサスペンスなどまったくない。一種の知的なパズル・ゲームに過ぎない。謎解きはある種の好奇心を強く誘発するが、そこにはエモーションが欠けている。しかるに、エモーションこそサスペンスの基本的な要素だ。…
 (「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」より)



 この間新百合ヶ丘の劇場で映画「ヒッチコック/トリュフォー」を観たら、またヒッチコックの映画を観なおしたくなった。川崎市アートセンター内にあるアルテリオ映像館は家からは遠いのだけれど、そこは有楽町のヒューマントラストシネマと並んで大手シネコンでは扱わないような映画が上映されることが多いので、新宿や銀座にでた時は時間が合えば行くようにしている。

 アルテリオ映像館は座席数も100席ちょっとと小規模でスクリーンもそれなりに小さいのだけれど、それはあまり気にはならない。映画「ヒッチコック/トリュフォー」は1962年にトリュフォーが敬愛するヒッチコックに一週間にわたってインタビューしたものを1966年にHitchcock/Truffaut (アメリカ)、Le Cinéma selon Alfred Hitchcock(フランス)というタイトルでフランス、アメリカで同時出版されたのだが、その時の音源をもとに最近ドキュメンタリー映画として制作されたものだ。

 本の方は1981年には日本でも「映画術 ヒッチコック/トリュフォー」というタイトルで出版されたのだが、ぼくは'90年頃に改訂版が出たのを機に買って、もう25年以上経っているが今でも折に触れ読んでいる。(最近また復刻版で出版されたらしい) それはぼくの映画の教科書のようなもので、映画におけるいわば文法とも言える要素がヒッチコックの作品の豊富なカット割写真で実例をあげて示されている。

 ヒッチコックは生涯に57本の映画を制作した。そのうち1本は現存していないので観られないけど、他は一応すべて観たし今も手元にもある。昔苦労して彼の作品のビデオテープを集めたのだけれど、DVDの時代になって画質も向上したのでVTRの方は処分してDVDで再度集めなおしたが、彼のロンドン時代の古い作品などはネットでも観られるようになった。

 ヒッチコックのドイツ表現主義からスタートしたドイツ時代(助監督作品がある)、ロンドン時代そしてアメリカ時代と順を追って作品を観てゆくと、正に映画の歴史を垣間見ることができる。もちろん彼の映画はサスペンスという言わば限られた範囲での映画の分野であることは間違いないのだけれど、楽しさやハラハラ、ドキドキを創り出しているその根底をなしている映画文法のようなものは映画界全般への遺産となっていると思う。

 そこら辺をこのドキュメンタリー映画の中ではマーチン・スコセッシピーター・ボグダノヴィッチを始め多くの監督が証言している。これを機会にやはり二十年以上前に買った植草甚一の「ヒッチコック万歳」や、つい最近刊行された「映画術…」の翻訳も手がけた山田宏一の「ヒッチコック映画読本」も読んでみよう。CGを駆使した最近のSFスペクタクルやアクション映画にちょっと食傷気味の感がある向きは、そんなヒッチの作品を観なおしてみると意外と新鮮に感じるかもしれない。



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 *植草甚一の「ヒッチコック万歳」の初版が出たのは1976年9月だから、その時点ではまだ日本語版の「映画術…」は出版されていなかったと思うのだけれど、彼の本にはヒッチコックとトリュフォーなどのヌーベルバーグの監督たちとの関係がちゃんと書かれている。

 植草のことだから当然その時点で英語版の「映画術…」は読んでいたのだと思うけれど、すごいなぁと…。彼の書くヒッチコック映画の内容だって、今のようにDVDやPCの動画でシーンを確認することなんて簡単にはできないのに、重要なシーンはちゃんと脳裏に焼き付いている。う~ん…。これも今でもヒッチコック映画の素晴らしいもう一つの教科書だと思います。

 **あ、それからヒッチコックの評価の位置を今のようなものにしたのは、やはりトリュフォーの功績だということを忘れてはいけないなぁ。それにしても彼の死が早すぎたのが何とも残念です。


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伊豆下田へ [新隠居主義]

伊豆下田へ

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 去年の年末からぼくが嗅覚の手術をしたり、その後も嗅覚が戻らなかったり、母の状態がよくなかったりでストレスと疲れがたまっていたのだけれど、そんな状態をみてか有難いことに友人が伊豆下田への一泊旅行に誘ってくれた。

 ゆったりと行こうということで車ではなくて東京駅から踊り子号に乗ってゆくことにした。そういえば最近国内で列車で旅したことは余りないなぁ。会社にいる時は毎月のように各地への出張があったけれど、辞めてからは旅行と言えば飛行機か車が多かった。東京駅から伊豆急下田駅まで旅というには短く、乗ってしまえばほんの数時間だけれども、それはそれでとても楽しかった。

 伊豆半島に来るのは本当に久しぶりだった。高校や大学の頃は一人でテントを担いで西伊豆の松崎あたりをうろうろしていたこともあるけど、大人になってからはこっちの方面にはとんとご無沙汰になってしまった。伊豆急下田の駅前は昔と殆ど変らない感じだったけど、町並みはだいぶ変わっていた。

 駅から海の方へ少し行くと、平滑川沿いになまこ壁の古民家や古い街並みが続いていてペリーロードという名前までついていた。それらの家はカフェやレストランになっていてシーズンには観光客でにぎわうようだ。漁港の前には道の駅もできている。昔は干物屋と唐人お吉くらいのイメージしかなかったのだけれど…。


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 ホテルは海に面した素晴らしい立地に建っていた。部屋は東側にあり、明け方には海の日の出が眺められる。生憎寝坊して日の出の瞬間は見逃してしまったけれど、それでも充分神々しい海の曙を拝むことができた。金色の雲から光芒が差し込み、その光は海の上に浮かぶ利島(としま)の上に降り注いでいた。黄金の希望の朝。少し気持ちが軽くなったような気がした…。
 

 ■ 明るさは 海よりのもの 野水仙 (稲畑汀子)


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  *翌日は「水仙まつり」の行われている爪木崎に行きました。海岸には一面の水仙の花が咲いており、そこには同時に真っ赤なアロエの花も咲いていました。白い水仙の花との対比が美しかったです。日差しは春の温かさを予感させるものでしたが、河津の桜はまだのようでした。


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