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2017年03月24日| 2017年04月03日 |- ブログトップ

ヴェトナムとカンボジアのバイカーたち [gillman*s Lands]

ヴェトナムとカンボジアのバイカーたち

 ダナンからフエに向かって国道一号線を北上した。バスの窓からは漁船が数多く浮かぶダナン湾の朝が見える。ふと昔ニュースで知ったダナンビーチに押し寄せたアメリカ軍の上陸用舟艇のことが頭をよぎった。ぼくはその映像は見たかどうか記憶が定かではないのだけれど、きっとその光景はこの漁船の船影の数の比ではなかったのだろうと…。

 さっきから一台のバイクがぼくの乗ったバスと並走している。髪の長い女性が小さな女の子を後ろに載せて、バスに抜かれまいとして必死に飛ばしているようにも見えた。ダナンの海岸線を暫くの間並走して、やがてそのバイクは力尽きたようにぼくの視界から消えていった。その時ぼくはダナンという言葉のもつベトナム戦争の呪縛を解かれて、今の現実のヴェトナムに引き戻されたような気がした。


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  朝、宿泊地であった海沿いの街ダナンから古都フエに向かう。フエまでは約100キロ。バスはQL1A線、つまり国道一号線を北上する。あの沢木耕太郎の「一号線を北上せよ」に登場するホーチミンからハノイにまで至るいわゆるホーチミン・ロードの一部だ。

 沢木耕太郎の旅行記では、南部のニャチャンからバスで国道一号線をホイアン、フエに北上する様子が描かれているが、ぼくはカンボジアのシェムリアップから飛行機でダナンに入って、そこから小さなバスでホイアン、フエに向かった。ベトナムの道路はまだデコボコが多いのだけれど、さすがにこの国道一号線と高速はスムーズだ。

 この広い国道でもいたるところにバイクが走っている。ぼくの乗ったバスは路の行く手にバイクがいると「どけ、どけ!」というようにクラクションを鳴らし続ける。バスの窓から見ているとバイクは抜かれる時一瞬バスと並走して、そして恨めしそうにぼくの視界から消えてゆく。

 ヴェトナムの道路を見ていると、この国はバイクで成り立っているとさえ思えてくる。そのバイクの殆どは日本製だ。自家用車がまだ高根の花であるこの国では、バイクがファミリーの大事な脚なのだ。小さい子供を含めて一家全員が一台のバイクに乗ることは普通のことだとガイドが言っていた。

 運転手の後ろに乗るとしても、日本のように後ろから運転手の腰にしっかりと腕を回してしがみつくということは無いみたいだ。後ろの席に座った人が両手でスマホのゲームをしている光景を幾度か見かけた。国道を外れれば、かなりのガタガタ路なのに振り落とされないのかと見ているこちらが心配になってしまう。


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 バイクに乗っている人のファッションを見ていると飽きない。一番標準的な恰好は、実にカラフルなマスクとヘルメットという形だ。フード付のジャケットで頭からすっぽり覆いその上からヘルメットを被り、さらにマスクをするというスタイルも多かった。日本ではこのままの恰好ではコンビニには入れてもらえないだろうなぁ。

 南のホーチーミン市ではそうでもないけれど、中部のフエや北のハノイでは冬はバイクでは結構寒いからそういう恰好も必要なのかもしれない。生活に密着したたくましい姿のバイカーが多かったけれども、さすがに街なかに行くとバイクとバイクスーツをコーディネートした人や真っ赤なスクーターに身軽な恰好のスタイリッシュなバイカーも見られた。

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 ハノイを案内してくれた現地ガイドのトーイさんは、バイクで運べないものは無いと言って色々な写真を見せてくれたのだけど、その中にはバイクで大型冷蔵庫を運んでいる写真や、乗用車一台分のシャーシーを運んでいるものまであった。

 バイクで物を運んでいるシーンは特にカンボジアでも多く見られた。豚を二頭、それも生きている豚を運んでいた。豚はプロレスのバックブリーカーみたいに仰向けにさせられて、荷台に載せられている。よく見ると豚の背中の下に簀子(すのこ)のようなものが敷いてあって痛くないようになっている。

 どうやら市場で子豚を買ってきて大きく育てて売るらしいのだが、カンボジアの人の大胆さと細やかさの両面が垣間見られて面白かった。

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 カンボジアのガタガタ路を走っている時、バスがゆっくりと一台のバイクを追い越した。実直そうな青年が彼女らしい女性を後ろに乗せて走っている。女の人は後ろの席にまたがって乗るのではなくて、スカートをはいているためか、横座りになって乗っている。彼の腰に腕を回してつかまるでもなく、こんなガタガタ路でよく怖くないなぁ、と。

 バスがゆっくりと彼らを追い抜いてゆくときバイクの女性と一瞬目があったような気がした。彼女はちょっとはにかむような表情だったけどバイクの後ろで揺られながら、なんか幸せそうにも見えた。それはぼくの勝手な思い込みかもしれないけど、ぼくなんかがとっくの昔に忘れてしまった青春の一コマみたいな瞬間を垣間見たような気がして、今でも強く印象に残っている。


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